腐れ大学生のブログ

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ブックレポート第4回 桃太郎(芥川)

桃太郎

著:芥川龍之介

https://www.satokazzz.com/airzoshi/reader.php?action=aozora&id=100

 

 芥川龍之介が書いた桃太郎という、何とも贅沢な二次創作である。二次創作と言うと安っぽく聞こえてしまうのは、二次創作=素人というイメージが私の中で強いためであろうか。

 二次創作といえば、森見登美彦も「新釈走れメロス」という面白い本を出している。森見節溢れる言い回しに、ファンとしては垂涎ものだ。

 

 この桃太郎の概要としては、性悪の桃太郎が私利私欲のため、平和な鬼が島を侵略する物語である。

 もしかしたら、戦勝国である人間側に都合のいいよう捻じ曲げられた歴史が、現代に語り継がれている桃太郎なのかもしれない、と思わされてしまった。

 

 私はこの桃太郎を読んで、自分本意な人間たちと善良な魔族という革新的なファンタジー設定がかつて、なろう小説やSS掲示板で流行ったことを思い出した。今まで疑問も抱かずに敵視していた者たちが、実は善良な存在で、我々人間が悪だったという何とも痛烈な設定は、下手をすると現代の風刺に使われてもおかしくないような切れ味がある。